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日本の市町村規模と国際比較

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年6月8日更新

一般社団法人 持続可能な地域社会総合研究所 所長 藤山 浩(第3362号 令和8年6月8日)

 日本において、基礎自治体である市町村の規模は、1889年の「明治の大合併」後の39市15、820村、平均人口2、502人から、1953年から1961年にかけての「昭和の大合併」後の556市1、935町981村、平均人口27、156人を経て、1999年から2010年にかけての「平成の大合併」後の786市757町187村、平均人口74、022人(平均面積218km²)と30倍にもなっています。

 日本とほぼ同規模の国土を持つドイツやイタリアと比べてみましょう。

 ドイツの基礎自治体は、2001年時点において全国16州の連邦国家の中で、域自治体としての郡(クライス)の下に、13、532の市町村(ゲマインデ)が置かれ、平均人口6、100人(平均面積26km²)となっています。

 イタリアの基礎自治体は、2002年時点において全国で20州(レジオーネ)と103の県(プロヴィンチア)の下に、8、101の市町村(コムーネ)が置かれ、平均人口7、100人(平均面積37km²)となっています。

 このように比較してみると、日本の市町村は、飛びぬけて規模が大きく、平均人口ではイタリア、ドイツの10倍以上となっていることがわかります。

 私は、2010年代にイタリアとドイツの地方を回り、日本よりも遥かに基礎自治体の規模が小さいにもかかわらず、活き活きとした自治行政を展開している様子を実感しました。両国とも農山村部では、数百人規模の自治体も珍しくありません。近隣の自治体や広域自治体と柔軟な機能補完の体制づくりを進める一方で、条例制定等の自己決定権を活かし、地域の個性を活かした都市計画やエネルギー自給を実現しています。

 日本は、今まで海外からの「借り物の豊かさ」に頼った「規模の経済」に向かっていました。しかし今後は、循環型社会を実現し食料やエネルギー等の安定的な確保を進めるために、大地の底力に根ざす地域のかたちをこまやかに組み立てる自己デザイン力が問われます。今から半世紀前に異色の経済学者、シューマッハーが唱えたように、小さいからこそ持続可能性を自ら設計できる「スモール イズ ビューティフル」の時代と言えるでしょう。​